白波瀬海来、海と言葉でつづる現在地 独立後初のフォトエッセイに込めた思い

白波瀬海来

――そもそも、白波瀬さんが「水」と関わるようになったきっかけを教えてください。

幼稚園の頃からずっと水泳をやっていて、中高生の頃は全国大会にも出場していました。中学1年生くらいのときに、記録が伸びなくなってスランプに入ってしまって。そんなときに『千葉美少女図鑑』を見つけて、「挑戦してみようかな」と思って応募したのが芸能の入り口です。それがきっかけで事務所さんとご縁ができて、初めて受けたオーディションで映画『セシウムと少女』の主演をいただいて。そこから女優としてのお仕事が始まっていきました」

――そこから、グラビアやバラエティの世界へと活動の幅が広がっていったわけですね。

そうですね。最初は水泳をやっていた子としてスポーツ系の企画に呼んでいただくことが多かったんですけど、そのうちバラエティ番組やグラビアのお仕事もいただくようになって。20歳のときにボディボードに出会って、本格的に競技を始めました。最初は趣味の延長だったんですけど、気づいたら全国大会で2位になっていて、「ここまで来たならちゃんとやろう」とスイッチが入ったんです。そこからプロの道に進んで、世界大会にも挑戦するようになりました。ただ、競技に集中すればするほど、タレントとしての活動との両立が難しくなってきて。そんな中で「アスリートグラドル」という肩書きで知ってもらえることが増えてきて、「自分にしかできない表現の仕方があるのかもしれない」と思うようになりました。

――タレント事務所を離れ、個人で動くことを決めた理由も、ボディボードとの向き合い方が大きかったと。

はい。前の事務所に在籍させていただいている間に、本当にたくさんの方に知っていただけるようになって、ネームバリューという意味ではすごく感謝しています。ただ、世界大会に本気で向き合いたいと思ったときに、「今はアスリートとしていたい。でもタレントの仕事も大事」と、どちらにも迷惑をかけてしまう状況が出てきてしまって……。「この日はアスリートで、この日はタレントでいたい」と、そのたびに周りを振り回すのがすごく嫌だったんです。だったら、自分がフリーで動ける状態にしておいて、どちらにも迷惑をかけない形を作りたいと思って、個人事務所という形で独立することにしました。

――会社をつくる決断には、学歴やキャリアへの不安もあったと話していました。

そうですね。私は高校を中退していて、大学にも通っていないんです。この先どうしようかな、と考えたときに、「普通の会社に入るという選択肢は自分には難しいかな」と思って。今までやってきたのは芸能とスポーツで、いわゆる勉強はあまりしてこなかった。じゃあ自分の取り柄は何なんだろうと考えたときに「自分で何かを築かなきゃいけない。手に職をつけなきゃいけない」という結論に行き着きました。社会人としての経験も、自分で会社を作ることで学んでいこうと決めたのが、今のワーテルを立ち上げた理由の1つです。

――実際に会社を運営してみて、どんなところが大変ですか?

一言でいうと数字ですね。最初の頃は、とにかく数字を追いかけないといけない時期があって、「こんなにお金がかかるの?」とびっくりしました。これまで会社を回すという立場になったことがなかったので、自分で全部決める責任の重さも含めて、毎日が勉強です。フォトエッセイの制作1つとっても、制作費やプロモーション、ファンサイトの企画との兼ね合いなど、全部を自分で考えないといけなくて。でも動いたことで見えた景色もすごくあって「あのとき決断してよかったな」と思える瞬間も増えてきました。

――年齢についても、最近はポジティブに捉えられるようになったと話していました。

ずっと年齢のことを気にしてきたタイプなんですけど(笑)、この歳になってやっと、今までやってきたことを俯瞰的に、ちゃんと広い視野で見られるようになってきた感覚があります。「あのときこういう経験をしておいてよかったな。あの失敗があったから今こういう言葉が出てくるんだな」とか。次の世代の子たちに「こういうところが大変だよね」とリアルに話せるようにもなってきて、自分の経験が誰かの役に立つんだと思えるのはすごくうれしいです。年齢を重ねること自体は、今は楽しみでもあります。もちろん老けたくはないですけど(笑)、重ねた分だけ語れることが増えていくんだろうな、と思うとワクワクします。

――現在運営しているファンサイトについても教えてください。

ファンサイトは、応援してくださっている皆さんへの恩返しの場だと思っているんです。普通のファンサイトって、お金を払って未公開写真が見られて、それで終わりというイメージがあると思うんですけど、私はそれをやりたくなくて。「ここは販売じゃなくて、私なりの恩返し」というスタンスを大事にしていて、サイトに入ってくださった方にはカレンダーをお渡ししたり、毎月何かしらのプレゼント企画をしたりしています。30歳になっても、その先の10年後になっても、会えるイベントや、みんなが喜んでくれる企画を続けていきたいと思っています。

――10年後、自分はどうなっていたいと思いますか?

10年後も、今と変わらずファンサイトで応援してくださっている皆さんに近しい距離で、ちゃんと恩返しをしていたいです。そこは軸として絶対に大事にしていきたい場所ですね。ボディボードも、その時点で競技として続けているかはわからないけれど、きっと何らかの形で海とは関わっていると思います。趣味としてでもいいからボディボードを続けながら、次世代の子たちにメッセージを届けたり、背中を押してあげられる存在でいたいです。起業家としても「私はこういう生き方をしてきて、こういう壁にぶつかって、でもこうやって乗り越えてきたよ」と伝えることで、「こういう夢の見方もあるんだ」と感じてもらえたらいいなと思っています」

――最後に、フォトエッセイをこれから読む人に向けてメッセージをお願いします。

海が大好きな人、スポーツが好きな人、今ちょっと立ち止まっている人、いろんな方に読んでほしい1冊です。これまでの私は、どちらかというと動いている姿を見てもらうことが多かったんですけど、今回のフォトエッセイは、心の中で考えていることや、誰にも言ってこなかった本音に近い部分も言葉にしています。写真だけじゃなく、言葉を通しても「あ、こういうことで悩んでいるのか、自分だけじゃないんだな」とか、「もう少し頑張ってみようかな」と思ってもらえたらうれしいです。海と一緒に、私の今を受け取ってもらえたらと思います。

白波瀬海来
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