白波瀬海来、海と言葉でつづる現在地 独立後初のフォトエッセイに込めた思い

白波瀬海来

プロボディボーダーでグラビアアイドル、そして起業家──。白波瀬海来は、常に「海」と「言葉」を軸に生きてきた。幼少期から水泳一筋で全国大会に出場し、中学1年生で「千葉美少女図鑑」をきっかけに芸能界入り。映画『セシウムと少女』で主演を務めてからは女優・タレントとして活動を広げ、二十歳で出会ったボディボードでは全国2位、さらには世界大会にも挑むプロアスリートになった。一方でグラビアの世界では「プロアスリート×グラドル」の唯一無二の肩書で活躍の場を広げてきた。芸能事務所を離れた現在は、自ら会社「ワーテル」を立ち上げ、競技と表現の両輪を自分の手で回すべく、セルフプロデュースの幅を広げている。その象徴が、長年書き続けてきた日記やノートをベースにした初のフォトエッセイだ。舞台はほぼすべてが海。これまでの歩みと心の揺れ、そして今と未来へのまなざしを、写真と言葉でつづった1冊になっている。「芸能を辞めるつもりはない」と言い切りながら、ボディボードの世界大会、起業、ファンサイト運営と、いくつものフィールドを行き来する理由はどこにあるのか。フォトエッセイ制作の裏側から、独立の背景、年齢と向き合う覚悟、そして10年後に描くビジョンまで、じっくり話を聞いた。

――まずは、現在の活動について教えてください。所属事務所を離れても「芸能を辞めるつもりはない」と話されていましたよね。

そうです。やめるつもりは全然なくて、アスリートとしてもやっていくんですけど、私が最初に始めたのってタレント業なんですよ。だからアスリートだけでもないし、タレントだけでもない。そのバランスを崩しちゃいけないなという思いがずっとあって。事務所は1度辞めてしまったんですけど、自分にどこまでできるかわからない中でも会社を立てて、周りの支えもいただきながら、自分の力でやれるところまで頑張ってみたいなと思って動いています。

――そんなタイミングで、初めてのフォトエッセイを出しました。もともと「言葉」へのこだわりが強いんだとか。

フォトエッセイはずっと出したいと思っていたんです。昔から日記を書いたり、ノートに思ったことを書き出すのが好きで、言葉というものにすごく執着があって。自分に自信がなくなったときに、昔のノートを読み返して『このときもちゃんと頑張っていたじゃん』って、自分で自分を支えてきた感覚があったんですよね。だからこそ、今まで書いてきた言葉たちを、ちゃんと形にして残したいという気持ちがずっとありました。

――発売日を迎えたときの気持ちは覚えていますか?

覚えています。今回が初めて「自分で全部作った作品」だったんですよ。これまでの写真集は、もちろん自分も関わりながらですけど、編集部の方がいて、カメラマンさんがいて、いろんな人に支えてもらって形にしていただいたもの。でも、今回は「出したいから出す」というところから、自分の会社・ワーテルの中で「こういう構成はどう?」「言葉はこの表現がいいんじゃない?」と話し合いながら、全部試行錯誤して作ったんです。だから発売日に「出ました!」と告知した瞬間は、写真集を出したとき以上にすごく近しい距離感で、自分の気持ちをそのまま世の中に出せたような、新鮮な感覚がありました。

――フォトエッセイの写真は、どれも海が印象的です。撮影はこの作品のために行ったのですか?

白波瀬さん 「いえ、今回のためだけに撮った写真はほとんどなくて、これまで撮り溜めてきた写真の中から選んでいます。バリに行ったときに撮ってくださった方がいたり、知り合いのカメラマンさんたちがそれぞれのタイミングで撮ってくれた写真がたくさんあって。その中から「この言葉にはこの写真だな」というものを選んでいきました。結果的に、ほぼ全部が海の写真になりましたね(笑)。でも、自分の舞台はやっぱり海なので、そこは外せなかったです。

――セルフプロデュースは大変だったのでは?

めちゃくちゃ大変でした……。事務所に所属していたとき、どれだけ恵まれていたのかを痛感しましたね。コーディネートやレイアウトの組み方すら本当にわからなくて、1から全部勉強し直しました。「写真の順番ひとつで印象が変わるんだ」「この言葉の前にこの写真を置くと、受け取り方が変わるんだ」など自分で作品を作るということがこんなに大変なんだと身をもって知りました。

――構成や言葉選びはどのように決めていったのでしょうか。

最初に、大きなテーマをまず12~13個くらい決めたんです。たとえば「健康美」や「笑顔」など自分を表すキーワードですね。そこに今まで書きためてきた言葉や、最近感じていることを当てはめていきました。世界大会に出るようになってから、自分の心境がすごく変わっていったんですよ。世界のトップ選手と戦う中で、自分がどれだけ小さい世界で悩んでいたのかを思い知らされて。視野が広がった分、言葉の選び方も変わりましたし「この言葉は今の自分だからこそ書けるな」と思えるフレーズも増えた気がします。だからフォトエッセイは、これまでの自分と、世界を知ってからの自分、その両方が混ざった今の私を見せられる1冊になっていると思います。

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